塩見孝也

 

 

 

プロフィール

塩見 孝也(革命家)

1941年生まれ。京都大学文学部出身。元赤軍派議長。

Twitter:塩見孝也@rsr80930

 

 

(以下、会見録)

 

 

 

98年6月6日 @塩見氏(元連合赤軍議長)事務所

 

塩見

 こういう形でだんだん結集させていってさあ、やって行くってのかさ、そら焦る。一方で内部ではガッチリ思想・理論だとかな、学習したり啓蒙運動やりながら、大きな外では祭みたいなな、文化運動みたいな所から勝負していかなきゃいかんのじゃないかと。なにもな、沖縄闘争やるなとかいってるわけじゃない。これはこれで、やっていいんだけどな、非常に古いスタイルでやられていってるわけであってさ、若者からな、離れていってるように思うのよね。そのへんをもう変えない限りな、おじちゃんおばちゃん全共闘世代の古いスタイルで続いてるような行動はな、やっぱりぶち壊さんとあかん。そのぶち壊し方を、どういうふうにするかだと思うね。

 

人研A

 何故なんでしょうね~。今の若者っていうのは、まあ僕も含めてなんですけど、「政治?何それ知らん」みたいな、そんな感じなんですよ。まあ、政治構造っていうのは60年代50年代から現代までで極端には変わってないわけで、まあ当時の人ってのはこっちからアプローチかけていったわけじゃないですか。今は、なんでそういうしらけムードみたいなのが出てきたんでしょうね。「運動とか、知らん」ってのがずっと続いてるじゃないですか。学生運動、ダメだとかなって久しいんですけど。なんでなんでしょうかね。

 

塩見

 そらやっぱ、根本のところは、日本社会がやっぱり、日本の運動がなんだかんだいってやっぱり経済的要求ってのがさ、貧困とか、貧困の問題を軸にして動いてた時代が70年ごろまであったからね。世界の運動も全部ね、やっぱ貧困が軸だったのよ。第三世界の、半封建半植民地の闘いも植民地体制の打破とか言ったけども、やっぱ貧困だったのよね。労働運動が先進国含めてずっとやられてきたけれども、これも経済的貧困の問題だと。社会主義国での運動の起動力もな、自由だとか自主だとかいうよりはまずな、社会保障ちゃんとやって、全体が経済水準上げるだとかさ、そういう運動がロシア革命以降の基本的な・・・。軸の軸を見ていくとやっぱ半植民地体制打破。これがな、中心だったと思うのよな。だけど、ベトナムの勝利のころ、植民地体制・新植民地体制も終わっちゃうと。そうすると、もっと人間、欲求が高まっていってしまうわけだから、これにどう応えるのってな。日本でみたそういう貧困みたいなのがさ、ものすごく第三世界を搾取した上でのな、経済的豊かさってのが、ひんまがったものにしろ出てくるだろ、そうすると欲求が高まるわけなんだよ。この欲求に対してな、経済とか、立脚したような政治を打った場合こりゃひきつけられないんだよ。だからどういうもっと高い要求も生まれてのに対してなどういう政治を提起するのかってな、こういう問題があるわけだ。ソ連もそれで崩壊したわけだし中国は、そこで模索してると。我々もそういうところで模索してると。この欲求の高さがどういうものであってさ、それに対してどういう社会がいいかという形で提出しきれてないところにな、やっぱり、古い型の政治が出てきてるってのかな。感覚的に、そういうのじゃアカンってあるいはそういうアパシーになってるけど、感覚的にはそういう文化芸能ってところからな、バーットこうひとつの動きが出てきてるし。

 ぼくらのころには学生運動活動家が非常に指導者としてあったわけだけどさ、今その音楽とか芸能とかな、文化とかまあマスコミでいいや、こういうところにある人間がヒーロー・ヒロインになってるわけだよ実際な。もう何万の大衆と結合してな、ある種の感性をまとめ上げてるっていう構造やんか。だから喜納さんと私が議論してもさ、彼のほうが世界的なレベルからいろんなこと知ってるし、やっぱりそこらへんマルクスのいうような搾取だとかさ、こんなことだけいっててもさ、やっぱり包括性ってので見たらさ、負けちゃう。だから、むしろ指導部っていうか牽引力はその連中のほうが引っ張ってるっていう構造になってる。だけどまあ文化だからな、やっぱり限界があるわけだよ。そいつをもう一回超えるようなな、まつりごとをやれるようにせんとあかんというかさあ。じゃあさっき言った援助交際みたいなの一番俺その典型だと思うんだけどさ、ああいうのをどう見て、どういう風にそういうものが実現される社会にな、いろんな歪曲とか、まあいわばいろんなゆがみみたいなのを無くしながら実現していくのか。そういうイメージがだんだんにつくられていった場合に、政治に関心をもつだろうし、そっから見て安保はやっぱりアカンだとかな、そういうのがでてくればいいと思うんだがな。

 

人研

 文化的にひきつける部分が・・そりゃ、何ですか、文化人とか文化だとか芸能人みたいのって絶対ヘゲモニー化はしないじゃないですか。ただ「キャー面白い」で終わって、それでじゃあ

 

塩見

 だから感性的な段階でとどまる。

 

人研

 ですよね。それでじゃあ、感性的に来たやつらをオルグってそれでそいつらが、関心を持って動くかっていったら多分動かないと思うんですよね。

 

塩見

 そこで、どういう風な自己実現っていうかなあ、政治に、新しい政治に結び付けていくかよな。回路とか仕掛けとかさ、そういうのをどう作るか。それで根本はやっぱ自主性って言うのかな、そこをどういう風にな、切り結ばせていくのかってあるいは民族ってとこになるわけだけれどもね、そういう問題、あるいは組織のね、さしあったてどういう組織原理を持ってやっていくのか、そういう問題が、ずっと課題としてそれはあると思うんだけどね。

 

人研A

 僕、教育の問題だと思うんですよね。

 

塩見

 そうだな。

 

人研

 結局、塩見さんのころって大管法がありましたよね。あの時は学問をもう総勢で打倒するわけじゃないですか。おそらく、今学校に何の問題も無いけど、大管法かかっても誰も反対しないと思いますよ。一部の、早稲田だったら革マルとかがちょっと「反対」とか言って、それで結局終わっちゃうと思うんすよ。教育現場とかで、絶対に政治に興味持っちゃ駄目みたいな雰囲気作られてますよね。 

 僕、高校時代、幸か不幸かその政治集団の塊のような高校にいたんですけど、新宿高校っていう怪しい高校だったんですけど、あの高校だったんで、多少興味持ってたんですけど、でも、普通の人から見ると興味持つのはもう宗教とそういう政治と、タバコはダメみたいな雰囲気があるじゃないですか。実際、たしかに、高校全共闘とかがあって、そういう

 

塩見

 いや~あんたえらいそういう昔の延長線上の中で生きてきておる。

 

人研

 実際、私初めて塩見さんの論文読んだのは学校に落ちてた『フンセツ』ですからね。『フンセツ』読んで、

 

塩見

 『フンセツ』~

 

人研

 『フンセツ72』を読んで、あっ~、なんなんだ~てのがありますから、けっこう怪しい高校だったんですけど。

 

塩見

 だから要するにそうだよな、文化からまあ要するに「祭り」から「政ごと」へとホラをものすごく飛躍させなきゃいけないところがあるということだよな。しかもやっぱり教育という問題がやっぱそこがね、教育システムの問題とかもう教育がその偏差値教育だとかそのいい学校出ていい企業へというかさあ、そういう構造で・・・僕らのころまでは真理の探求とかそういうのが結構あったわけだよな。真理の探究で民主主義の根底だとかさ、そういう理念みたいなのがまだ生きてたけどさ、今はむき出しの形でさ、むき出しの形でよう、官僚になるだとかいい企業に行くとかそのために勉強せなアカンとかさ。だけどこれもよう、官僚なっても今は汚職で摘発されたりとかさあ、そうなってるし、大企業といってもそんなに面白くないとかもう現になってるわけだよな。

 そうするとね、やっぱり、例えば所沢高校みたいに新しい動きが出たり、逆にああいうふうに前向きに行くんじゃなくてさ、それが屈折して援助交際とかもっとこうふんづまったところには、酒鬼薔薇聖斗ですかああいう風にいってる。こういう構造だとおもうんだよね。あれはもうみんな現体制に対するひとつの反抗やんか。反乱であってさ、教師の質見ると全然理念も思想も持ってない、こういう構造になってるわけだから。どうなんだろうね。

 そりゃやっぱりなんかなあ、俺はとにかく若者が主体になるようなトークの場とか自主学校みたいなのがね、そういうのがどうやってマスコミやあるいはジャーナリズムを介しながら、あるいはインターネットを介してだなあ、どんだけこう系統的にやられていくのか。いろんな動きあるわけですね、自分で生きていくためには、宮沢賢治の学校だとか、いろんな動きが教師の中から起こってはいるみたいだけどさ、なにせその教師たちがも、どういうふうに未来を描ききるだとかどこが核心なのかだとかもう一つ掴めてないわけなんだよな。そういう状況がやっぱりあると思うんだよね。その辺で、だけどどっかに要を据えて、穴を空けていくことができたらさ、まあやっぱりそこをちゃんと理論化したらね、やっぱバーンとこう中高生から大学生、大学生が今一番ピンチなんじゃないかとおもうんだけどさ、このへんにやっぱ穴が開くと思ってんだよな。

 だから、宮台真治さんなんかがやってることなんかも、俺はまあ基本的な面でいろんな限界あるけども、高く評価してんだよね。やっぱり高校生なんか道徳的に押さえつけるんじゃなくてな、やっぱ基本的には自然なんだからそれを伸ばしていくと、そこで変なところ行かないようにすると。そういう形で、淫行廃止条例、淫行条例廃止運動とかさ・・・・・。

 やっぱり、そういう意味じゃ愛とか幸せとかそういう問題なんかについていろいろと論争を起こさないとアカンと思うなあ。左翼は、愛とか信頼だとかよう、「宗教」だと思って馬鹿にしてたわけだけどさ、みんなそこを一生懸命探してるわけであってよ、正義もそうだし幸福論とかそういう問題を、一番人間の根元にあるところを論争しながらさ、出して探っていくってことをだな、そこから教育の問題だとかな、切り込んでいくというかな。偏差値教育とかそういうの言われてるわけだからさ、問題はそこで対置すべき基本的な哲学とかそういう問題が一番ぼやけてるわけでさ、そのことじゃないかなって思ってる訳ですけどね。だから、宮台真治さんなんか、まあ彼は社会学でそういうことを言ってるわけだけど、彼足りないのはやっぱり資本主義、彼は近代の成熟というね、近代の風とか成熟とかいう形でこれはそういうふうに必然性があるとかそういうこといって彼女たちを擁護する立場に立ってるのは全く賛成なんだけども、やっぱりある程度そうだったらいろんな不利な状況を有利にする、例えば売春婦だってな、昔だって人身隷属関係にあって古い道徳観があったからさ、差別されるって構造があったけども、ブルジョア社会が成熟すると一種のセックスワーカーみたいな形でな、一つの労働者として見られていくというかさ、今の拡張した社会ではセックスワーカーは絶対ステータスであって、そうするとセックスワーカーの労働状況もちゃんと確保したほうがさ、「セックスワーカーになるな」とかいうよりは意味があるわけなんだ。そういうこととも連関しながらな、彼なんかはそういう擁護するような立場に立ってると思うんだけども。だけどな、資本主義、そういうなかで結局、にもかかわらず本当に自主を要求して経済的な実力をつけようとかさ、いう問題がやっぱ資本主義の中に取り込まれて逆にカネから阻害されるという関係が必ず生まれるし、でやっぱりいろんな業者と結びついたり自分らも企業化するとかな、そういう社会に入り込んでいくとかそういう問題になってくるわけなんだな。だからそれは資本主義を廃止するというな、方向でやっぱ市場原理に立脚した商品経済がどうも動かせないものとして考えてたらなやっぱダメやってんよね。そういった意味じゃ宮台さんは、そこは近代の成熟に合わせてだけ語って近代への過渡期から近代の成熟だの近代の超克という観点からもっとこう先を展開しないとな、アカンわけだけど。彼は学者だからまあ逃げてるというかな、そういう風に僕は思ってるわけだけどね。今度、7月の21日にロフトでやるんだよ、宮台とよう。ちょっと論戦してみようと思ってるんだけど。

 なんか皆さん質問したいこと、ここらへんのかなりこう、問題意識というか・・・

 

人研

 失礼なんですけどタバコのんでもよろしいでしょうか・・・?

 

塩見

 僕が飲んでるんです。是非のんでください。そしたらここ開けようやな。俺はもう、いつも皆に言われるんだけども。

 

人研

 今日はちょっと一年生に、会見ということをするためにいっぱい連れてきたんで、一年生のほうから何かあれば、

 

人研B

 あのですね、さっき大分前に話したことなんですけど、あの、価値観の違いとか、例えば民族において例えば日本人レベルなら、日本人レベルの段階で例えば縄文化、ネオ縄文化していくとかそういうことがありえるかもわからないけど、例えば民族の、日本人以外にもたくさん民族があるわけじゃないですか、その生活レベルの違いから、一つに持っていったとしてもその、どうしても今とのズレが小さかったり大きかったりするわけじゃないですか。

 

塩見

 民族格差みたいなもんだな?

 

人研B

 はい。そういうものはどういうふうに・・・。

 

塩見

 それは二つほどあると思うんだけども、一つはさ例えば、もちろんアイルランドのね、ああいうアイリッシュっていうかあれはアングロサクソンに抑圧されてるな。こんなのはわかりやすい。非抑圧民族が自主化するってのはスッキリする。問題はな、むしろ僕ら抑圧民族のほうだからさ、抑圧民族がどういう風にだな、自己否定して民族的誇りを解決するか、こういう問題があるよな。アングロサクソンはもうだめだという話になるわけだな。俺はなあ、やっぱケルトに帰れとかさ、ここから問題建て直していくとかさ、どれもみんななあると思うんだよ原始共産制いわばトライブの時代で部族のな、ここへ帰ったら平等社会ってみんないいもの持ってるわけだよ抑圧民族だってな。ここに帰りながらな、非抑圧民族と連帯するっていう形にな、せんとアカン。そうするとな、やっぱり民族同士の一つのつながりがでてくるってわけだな。

 問題はそこの上でだな、格差は実際にあるわけだから、だけど根本はそれぞれが自主性を持つってな、自主社会主義ってのかさ、それになっていくと、それぞれみんなプライド持っていくと、そこがまず中心だよね。その上で今度はもう相通ずるというか助け合うということだよね。まあ明らかに先進国はいままで搾取してきたわけだから先進国も自主共産、自主社会主義がさあ、第三世界に大規模に援助するとかさ、こういうことせんとアカンわな。だけど砂漠のな、まあアラブのほうなんかあるわけだな。ここだってやっぱり、俺は一つの自主、ここは砂だけだとか、そこを上手くな、そこで生活してたわけだから絶対そこでのな、ある種のオルタナティブな自主性ってのは育つと思うのよね。そういう形で、近代資本主義の分業っての、工業と農業を全部分裂させてね、やるんじゃなくて工業も農業もやればさ、やっぱり知的活動もやれば肉体労働もやると、都市と農村ってのがな、できるだけこう接近するないしは都市が農村に農村が都市になるってのかな、そういうような社会構造を目指していくってのかな。だから格差はもうあると、で格差があるのを階級社会を廃止したらな、無くなるとか差別がなくなるとかこのまず、変な幻想をな、ぶち壊して、そりゃ民族ある以上はそういういろんなな、個性もあって差もあるわけであって特にそういうのは歴史的にそういうのは作られてるんだから、歴史の問題としてははっきりちゃんと先進国が搾取してた構造だからお返しせんとアカンとかそういう観点持たんとアカンっていうわけだな。

 

人研

 その格差を容認しながらお互いの自主性を伸ばしていくっていうことですか?

 

塩見

 そう、まず格差は認めなきゃいけんからな。認めた上でやらなアカン。その時にお互いが自立してたらね、特に先進国は自前で生きていくと、自前でやっていけると、なんか分業を作ってな、国際分業を作ってやっていくという構造じゃなくて自前で自主的にやっていくということになったら侵略とか搾取無くして援助できるっていうな、構造にまあなるわけだよ。

 

人研

 じゃあ、自主とか尽くすってさっきおっしゃってたんですけど、世の中に落ちこぼれみたいな存在で尽くせないっていう人いますよね。

 

人研

ドロップアウトの問題ってそのへん関わってきますかね、結局もう一個下の根本的な教育問題になっちゃってるからその・・・

 

塩見

 それはまずドロップアウトした側に立つということだよ、根本はよう。まずドロップアウトした人間が社会からはみ出して犠牲になってるという、ここに立脚すると、労働者階級ってのも一番押さえられてるって言うけども実際は大衆社会だからさ、いろんな形で落ちこぼれていってるわけだからさ、これは一番犠牲を受けているってわけだし逆にいうと反抗してる部分だからな、この人たち、この層の要求は何かと、どこに進歩的な要求があるのかというな、これをしっかり掴んでよ、これを革命的エネルギーによう、転化させていく。こういうことだよ。

 

人研

 そのドロップアウトした人たちが奉仕できるような立場に・・・。

 

塩見

 まずプライドを与えんとアカンだろ?何でドロップアウトしたのか根拠があるわけでさ、それぞれみんな能力もってるわけであってさ、それがどうなってるのか、そこをどうわかるかってことだよ。わかったらさ、そのプライドは回復するわけだからさ。

 

人研

 ですからドロップアウトの側に立って、そいつらも認めてやらないと自分たちの自主性は発揮できないからってことですよね。

 

塩見

 そう言うことだよな。その通りだよな。だから実際に今はもう左翼運動ってのは一流大学の学生なんかよりも例えばさ、専門大学だとかさ専門とかさ、それから大学辞めたやつだとかさ、フリーターだとかさ、このへんのほうが感覚的には優れておってさ、話も通じるしさ。大学生ってのは一流大学はとにかくもう、受験戦争に勝ち抜いた割り切りスタイルでさ、ものすごい自己限定してさ、這い登ろうっていうそういう人のほうが多くなっててさ。夢もって何とかするっての少なくなったやんか。心のうちが会うのはやっぱり、専門学校とか二流大学とかよう、フリーターとかそういう人のほうが・・・。前はね、僕らの頃は意気に燃えてさ、役に立とうってので奉仕しようとかいうそういうのがやっぱね、知識人のプライドっていうのかな。その卵のプライドみたいなのがあったけどさ、もうそうなって無いよな。

 

人研

 それはあれですよね。それも偏差値社会の弊害っていうんですか。一流大学に入るためには、ちっちゃい時から塾に行って小中高、まあ極端にいったら幼稚園から塾に行ったりして、行ってるわけですよね、ということはそれだけの援助を与えられる親の子息っていうのかな、プチブルっていうんでしょうか。そういうやつらだから、社会主義なんかそんなん自分たちの首を絞めるような考え方・・・

 

人研

 でもそれは結局、革マルだったら早稲田で出世したやつは国学院行って、それでヘゲっちゃって、アオカイ(民青)でいったら明治だったやつがジン大に行ってやってるわけじゃないですか。それがあるから結局、「アタマいいやつ」がそういう運動の中枢に登っていく感じあるじゃないですか。

 

人研

 それはだからさ、想像力が発揮できるやつだっていうこと・・・

 

塩見

 革マルがいいとは思わないよ~僕は。あ~いう連中はやっぱり昔の知識人エリート主義の変なの引きずっててな、・・・

 

人研

 だから運動全般で、結局いろいろ集まってますよね、何とか派とか。何とか派っていって集まってる分配みるとやっぱり議長ってのは有名大学の名前があって、下っ端のほうに何とか商科大学とかあるじゃないですか。そういうの見ちゃうとやっぱり・・・

 

塩見

 左翼の中にも一応大学ランクがあると。ああいうのは本当に無くさんとアカンよな、現に本当にドロップアウトした人の感性を表現するのにな、関係ないんよ大学とかさ。

 むしろセキっこくなるんだよな、そういう連中がいたらさ。やっぱなんだかんだいってもさ、変な価値観がもちこまれてさ本当のところがしっかりつかまれないというのかな、だからロフトみたいな所はそういうのが無いからさ、ワーワーワーワーやりながら、本質的な事実に立脚した意見が出るわけだけどもさ。そうするとそこで・・・・、だから今の党派ってのはなんだかんだいってもある面で60年代70年代ごろまでの一種の代行主義な、インテリゲンチャがみんなをひっぱていくと。そういうのがいい面で出る場合と悪い面で出る場合があるわけやんか。いい面はもう70年代ごろで終わっちゃってよ、俺、俺が教えてやるからさ、そういう知識主義ってのか、それは個人主義とものすごく結びついてるからさ、引っ張りまわすとかな、こういうふうになっちゃってさ。やっぱりそういうのをもう一回解体してな、やっぱりひとつは被抑圧民族とか先住民に立脚するだとか支持するとか、それからいわばドロップアウトした層だとか障害者だとか、こういうような所から人間覚醒とか自主を促進するというようなところの、そういう成長力ができていかんとアカンと思うわな。大なり小なり今の既成新左翼はそこをまだ継承して、これが正しいと思って先細りしながらやってる連中であるからさ、一回解体せんとアカンのよこんなの。

 

人研

 視点をその部分まで持ってくるってのはいいと思うんですけど、実際もしその、いわゆるドロップアウトっていわれてる部分が、意識を高めちゃうとさっきいった第二次赤軍みたいな感じで、高校生からそのへんのオッサンまで集まって「元気はいいけど・・・」っていう野合化するってことがあるんじゃないですか?たしかに元気はいいんだけども・・・っていう。

 

塩見

 どうかなあ、今は・・・・、もっとあの頃は価値観があったから要するに一種の第一赤軍ってのはそういう一流大学だとか国立大学がそういう指導部になってたな。それがコケてバーっとイケイケドンドンの武装闘争にいったけど、それとはもっと社会自身がトータルに深刻になってるし、トータルな問題として現れてるし、ドロップアウトした人が爆弾投げるかっていうと投げないよ。やっぱ人間的生き方でさ、必死で考えているわけだからな、まあそれにそこに応えていくところにエネルギーが引き出されていくわけであって、そんな単純じゃないと思うんだよ。

 

人研

 共産主義に関してなんですけども・・・・、共産主義でも、たとえば公共の公園作るとかなったら、そういうの決定するなにか組織ができることになるんですよね?

 

塩見

 当然なるわな。

 

人研

 それはやっぱ代表者だけでいったら今みたいに代表者だけで決めるんだったら、そこの代表者の私欲がいくらか絡んでくるような気がするんですよ。でも全員で、例えばその地域全員が参加するような形だったら、人数が多かったら直接政治は時間のロスになるし、多数決の原理をもってしても完璧とはいえないし、ヘタをすれば衆愚政治に陥ると思うんですがそこらへんはどうなるんでしょうか?

 

塩見

 まあいずれにしても資本主義とか私有財産制社会では富者っていうか権力を握ってるやつが結局民主主義とかみんなを引っ張りまわすと。それに対して社会主義の場合は、基本的には人民大衆中心っていうのかな。人民の権力っていうことであるわけだ。そうするとやっぱり自主的な民主主義が前提になって公園作るにしてもやっぱ直接的な民主主義というか、みんなの要求の中で決められてくる、その地域のひとの要求で決められていかなアカンと。で、あなた直接民主主義は可能性がどうかって言ったね?それこそ今のインターネットとかさ、情報手段。これは情報手段自身がどういう主体がどう利用するかによって決まるわけであって、ヘタに利用したらどうしようもないわけだけど、上手くやれば直接民主制の発現する最高の道具になるわけでしょ。そういうのを使えばもっともっと合理的な形でみんなの意見を、みんなが参加できるようなシステムってのは俺はできると思ってるんだよね。できるんだよ。だからそこらへんまで来てるんだよそういう直接民主主義が実現できるような生産力が、技術的土台が成熟してんだよな。

 それが逆に今の場合は情報社会と、マスコミの第四権力とかな、いうかたちでさ支配階級の側に情報が特異な形でな、管理されるような構造に利用されてるというかな、そういう構造だけどさ。これだってどんどん庶民のほうに、インターネットなんて、俺はまあ使えないけどさ、行ってる。問題は使い方だな。インターネットを使って、国際的に国境を越えるって言ったってなんか宮台さんなんか読むと、結局そういうのに行かずに特異な小集団が国境を越えてシマ社会を作るとか、いろんな問題あるわけだよ。やっぱ使いこなしたいというか、技術的な能力は今の若者は全部持ってるわけだからさ、問題はやっぱ思想的な主体だとか思想的な内容というか、そこだと思うんだよな。

 

人研

 そろそろ時間的に押し迫ってきたので最後に・・・。

 

人研

 「自主日本の会」っていうような学生戦線は作らないんですか?学生をこうちょっと集めてっていう・・。

 

塩見

 前のように社学同とか学生運動機軸で時代が開けるとは思ってないやな。だからそういう社会主義・・・学生諸君が加わるほうに回ってくれたら大歓迎、まったく大歓迎であるわけだけど、ちょっとスタイルはな、昔だったら学生が先駆性論ってのがあってね、学生が先駆性を発揮する。で、起爆力になる。社会を覚醒させると。どうだろうね、やっぱ学生諸君がそういう自主運動に参加するのは全く賛成だけれど、やっぱ思想運動ってのかな、知的なものだとか教養なんかを生かして、そこらへんで思想的な高さを発揮すると、でそこからいろんな仕掛けなんかをつくりだす。そういうことになるから、デモをやってとかそういう感じじゃないわな。

 だけど、いずれにしてもね、俺はそういう理念と路線がちゃんとしてたらね、若者がそれ・・・そこがちゃんとしてたらさ、ものすごいエネルギー発揮してやるわけでしょ、だからやっぱり学生諸君だとか学生大衆がダメだとかは俺全然思ってなくて、むしろどれだけ指導者というかが、どんなちゃんとしたものを提起できるかね、というところにかかっててさ、それがあれば学生諸君がやっぱり世の中変える原動力になってるのは確信してる。だから、そこらへんは共に、どんなスタイルでいくのかは考えていかんとアカンと思いますね。

 

人研

 他になにか?

 

人研

 このまま、運動を起こさないでほっといたらどうなるんでしょうね・・・?

 

塩見

 どうだろうね~。やっぱりいずれにしてもすごく停滞していくわな~、全体としてはね。

 活力を失って。停滞していくだろうし、もっともっとあ~いう酒鬼薔薇聖斗のようなね、ああいうとんでもない事件ももっともっと出てくるだろうし、大混乱になっていくってのかな、そういうふうに思いますね。だからどうだろうね、ちょっと言えないけど・・・今出ている少なくとも為政者たちが出してるところにはこれといったものというか現代を突破していくそういうのを見出せ・・・僕もあんまり勉強してないからって面もあるんだろうけど、見出せないってのかな~。大体旧来の政治で、あとグローバリズムをくっつけてね、そうでしかないっていうのかなあ。

 日本ますます行き詰ってるっていうのかそうやって思いますね。まあ経済的にもものすごく停滞するだろうしね。経済的に今の不況状況をどこかで逆転するってのは、そんなような所はあんま見当たらないよな。だから経済的にも停滞していくだろうし。経済的貧困が急降下ってところまで行くかはもちろん分からないけど、停滞していくだろうね。だから労働運動なんかも部分的に起こってくるだろうね。日本では必ず起こってくる。ただし質が違う、どういうスタイルの労働運動かはわからないけども。起こってくるだろうね。だから、まあそれは僕から見たら、これから人民が一番驚くというかな、社会っていうイメージを失ってる時代だからよう、そういう意味では一番、戦国時代みたいなもんであってよ、いろんな人がいろんな想像力発揮してどんどん出てくるわけでよう、規制の価値観ぶち破られてく時代だからさ、非常にいい時代に来てるというふうに思うわな(笑)。次の日本に変わってくね、いい時代だってさ。やっぱ想像力イマジネーションね、そういうのをそれに対していろんな人がいろんな模索出してくわけだから。いろんな兆候をちゃんとね、鋭く見極めて引っ張り出していけば、そりゃみんなこういう時代で勝手になれってふうには、やっぱ行かないんだって。必ずピンチになったらな、そこに活路を見出そうという想像力がどんどん噴出していくわけだからさ。それが支配階級の側には無いってのは、言える。

 

人研

 あの、さっきからそこに座ってるお兄さんはどういう・・・?

 

塩見

 彼はね・・・、外大の一年生の学生さんで小山君ってんだけどね、僕らの学習会に・・・昨日だよね?昨日ロフトで知り合ってさ、で仲間というか。今日、あなた方が来るというんでさ、じゃあ聞かしてもらおうという話で来てるわけで。

 

人研

 どうでしたか?こう話をしてるの聞いてまして。

 

小山君

 恥ずかしいんで・・・・・・・。

 

人研

 どういったことから塩見さんに興味をもたれたんですか?

 

小山君

 ・・・・・・・。よど号事件とか・・・。

 

人研

 でも昨日知り合ってここにいるってのもすごいですねそれも。

 

塩見

 ロフトでね、ロフトでね。トークやってて、で彼、学習会みたいなのあったらって。で彼インターネットもやってるから、インターネットかなにかで連絡とりあって。

 

人研

 どうですか?こういうの見てどういう風に思いますか?

 

小山君

 ・・・・・・。

 逆に聞きたいんですけど、今日聞かれてどういう風に思いました?

 

人研

 最初ね~塩見さん民族の方に行ってしまったの聞いてアッチャ~右翼のほうに行ってしまったか~みたいな感想持ったんですよ。やっぱりそういう普通の人が感じるような民族=右翼みたいなの持ってたんですけど、いやホントよくわかりました。民族主義すなわち排他的民族主義っていうのでは無く、ちゃんとお互い尊重しながらっていうのが、それが愛民、・・愛族主義だよって聞いて、あ~ってちょっと安心したっていうか聞いて非常に良かったなって。新しい共産主義的な・・・

 

塩見

 そこと結びついてね、民族をな、共産主義の壁を突破する問題として民族論を出さんとアカン時代に来てる。

 

人研

 それは目から鱗でした。

 

人研

 僕もその件に関して、なんか手段としてなのかなってちょっと思いがちだったんですけど、そういう風に合致してったのかっていうこうすごい矛盾だったものにラインができたなっていう印象を持ちました。

 

人研

 僕はけっこう昔から「春雷」とかを購読してたので、まあ主張とかはよく分かってたんですけど、でも僕も実際ネックになってたのはやっぱりこう、一水会とくっつくのはちょっとって気はあったんですよ。でもその段階でくっついてたんじゃないってのが分かったってことは大きくて、でも実際僕が思うんですけども、一水会の使える部分は使って、まあ塩見さんのほうが使ってるって部分もあると思うんですけど、でも・・・

 

塩見

 使われてる部分もある

 

人研

 反対にマイナス効果もけっこうデカイと思うんですよ。それがあるんで、そういう部分は多少解消されたかなって

 

塩見

 まあ、それは~

 

人研

 お互い様ですか?

 

塩見

 お互い様、ギブアンドテイクだな、簡単に言ったらな。まあだけどもっちょっと実体化してね、力をつけていったらそういう誤解がどんどん解かれていくと思うんだけど。そのシフトがけっこうあるからな。このシフトが突破できたら、それだけの力持てたらけっこう展望がさ、全体変える展望も出てくるわけで当分そういうものとはずっと、偏見だとかは戦わなきゃいかんと思ってますけどね。

 

人研

 じゃあ9.2集会は今年もやるんですか?

 

塩見

 今年は、9.5にやるつもり。こんどはロフトでね、借り切って基本的にはトークを中心にして、例えばよど号帰国問題だとかやっぱ民族論とか、援助交際論だとか3部門に分けてね、いろんなトーカーをバンバンやって、一日くらいやって。で、その間にパフォーマンスってのかいろんな寸劇だとか歌だとかそういうの入れてだね。これまではトークがちょっと去年は少なかったんでね、もうその日本をどう変えてくってのでさ、哲学の問題から民族・文化いろんな問題を3部門くらいに分けてバッサバッサやるつもり。特に帰国問題なんかに関してはね、ちょっと言おうと思ってるね。

 この前、自民党の拉致連の中山って幹事長いるんだけど彼はね、行ったんだってね、3月かな。で小西たちにも会って、帰国させようとまあ動いてるわけだけど。三日ほど前かな、彼と会って要請してきたんだよ。まあ基本的には帰国させようって事では一致してるわけですがね。まあ、立場は違うけど同床異夢でな、向こうも帰らしたいってのあるわけだよ、俺らも帰らしたい。俺らは日本の運動やるために帰らしたい。向こうは朝鮮に穴開けてな、返させよう。あるいはよど号グループをパクろうってことがあるわけだけども、帰らせたいってのは一致してるわけだな。これを交渉やりながらさ、日朝関係を良くして行こう、正常化していこう、そのためには自民党の政治家全部会っていこうと思ってるわけだけどな。まあ野中さんとかあんなのにも会ったわけだけども。中曽根とかあんなのにも全部会ってさ、帰国ということで協力してくれとこれからやろうと思ってるんですけど。これはある面で70年代ごろのケジメをどうするかという点でも大きな問題にもなるし、冷戦構造終わって日朝関係どうするのかって問題にもなるわけだからね。

 けっこう、話題の焦点・・・マスコミにも取り上げられうと思うし、やっぱりそこからも日本論ってのもずっと出てくるんだろうと思ってますけどね。

 

人研

 僕らの世代だと、赤軍とか聞くとすごく暴力的なイメージが・・・。実際やっぱ・・・

 

 

(約2分間不明)

 

 

塩見

 怖い人間ですか(笑)。赤軍派の人間は付き合ったら全然怖くない人間ですからね。

 

人研

 僕もあんまりよく勉強せずに来たんですけど、塩見さんって、左のほうの方だって聞いてそれで、でも最近は右のほうに主張がって聞いて、そこがわけ分からんで来たんですけど、右とか左とかじゃなくって、今もより良い日本ていうか世界をつくろうと、そこのところに視点を置いて考えてて、右や左を超越している視点とかにちょっと感銘を受けました。

 

人研

 僕も塩見さんの理念っていうか右と組んだりっていう部分、僕は分かんなかったとこがあって、払拭できてよかったです。

 

塩見

 やっぱあれかな。右と組んでるとか、そういうのが一番通り相場になってるのかな。

 

人研A

 あれはかなりそうですよ。

 

人研

 でもやっぱり「民族」を言い出したらどうしても右と組んだっていうイメージが先行してしまうんですよ。

 

塩見

 まあそうだな。

 

人研A

 ただ自分は、革マルとかって書き方すごいじゃないですか?もう、「塩見ファシスト転向」とかもう押しですから、ビラとか見ても。でもそうじゃなくて、革マルじゃなくて早稲田のノンセクト系の人たちでもやっぱり、塩見に今度会うんだけどとかいうと「いや~彼はでも今は転向したから」とか・・・。

 

塩見

 そういう通り相場になってんだ、困るな~(笑)。だからそこらへんが今の日本左翼の狭さでさ、旧路旧慣墨守のな、状況にある・・・なんか価値観がな、旧来の価値観だけでな、我一人高しで見てて、現実を見てないって言うのかな。そのへんの実際を示さない限り偏見は拭われないと思うけど・・そのへんの問題だなあ。まあ現に会って自分の話聞いてくれる人は偏見もってこられるというか。要するに自分らの立脚点がな、ぶっ壊されると思ってんだよ、逆に言うと。塩見がこういうこと言い出したったらさ、そんなこと認めたら自分らが今まで言ってきたことを変えなきゃイカン問題になるわけだから。ここはもう一生懸命防衛しようってわけだけど、だけど一定の国際共産主義運動の一定の結果というのかな、あれできてるわけだから、共産主義運動が根本的に敗北したとは思わないけどさ、どういう風に捉えるかってのはちょっと普通の常識とは違う所から接近せんとアカンってのがでてるわけだからさ。やっぱりそういうシフトがね、破れる時期は必ず来ると思ってるんだよね。

 

人研

 僕も、教科書的に出来事を羅列したものを知ってるだけだったので、非常に不明瞭で漠然としたものだったんですけど、それがかなり明瞭に見えてきたっていう、今日お話を聞いて。非常に理解が深まりました。

 

塩見

 まあここが事務所ですからね、みなさんなんか興味もたれたらいつでも学習会とかそういうのもやってるし、まあ個人という形になるだろうけど、オープンだから顔出してもらってもいいし、ロフトなんかでもやってますし。あるいは早稲田、早稲田で話したっていいね。

 

人研

 それ早稲田でできるんですかね?革マルとか騒がないですかね?

 

塩見

 革マルは騒ぐわな。一番騒ぐわな。それあるな。それが一番あるだろうよ。

 

人研

 うちらの講演会でも、塩見さん来ていただきたいんですけども・・。

 

人研A

 それも議論があったんですよ、会いに行くか、それとも大隈講堂で呼ぶかって。大隈講堂で呼ぶってなったら幹事長が拉致されて、もう帰ってこないんじゃないかっていう(笑)。あれがあったんで・・・。

 

塩見

 そういうのがな~、本当にな~、テメエのシマだとかな、ああいう発想がもう根本的にぶち破られんとよう、そういうせまっくるっしいところでよう、党派利害だけで考えてね、ああいう左翼・・・俺は革命マルってのは左翼だって思ってないんだけどね。そこらへんを超えられない限りなあ、一番ピンチだよな。

 

人研

 鈴木邦夫さんなんかも何年か前に呼ぼうと思ったらしいんですけど、鈴木邦夫講演会ってビラを貼った時点でもうすでにかなりのアレがもう・・・。結局中止になったんですけど。そういうことがあったらしいんで・・・。大変ですよね。

 

塩見

 一番あれだよな、あんな悪い縄張り意識みたいなのが一番最初は革マル違うかなって思ってんだよな。学生運動の一番悪しきね、ものをずっと持ってるっていうのかな。あんな宗派主義っていうのかな、独善っていうか要するに、大衆を中心にして、そこで意見を争わせて判定を求めるってのかさ。自分らが中心じゃなくてよう、要するに人民大衆が中心っていうかさ。ここの根本的なところが違うんだよな。

 

(電話が鳴る)

 

塩見

 ハイハイ、ちょっと待ってな。

 

(電話に出る)

 

塩見

 もしもし~?うん、もうすぐ終わる。うん、どこにいるの?うん、ああそうか。ああ家帰ったんか。まあ終わったらまた連絡するわ。明日のこと考えないとアカンからな。朝早くから考えてんだけどね。はい、また連絡しますから。

 

 

塩見

 いや~だから僕なんかある線で党派・原籍問題抱えてるからうんとね、いろいろ論争の対象になる人物ですし、まあむしろ中核なんかこのへんはさ破防法とかなんとかで新聞でやりよったなあ。風間派がまたゴチャゴチャ言ってるし、革マルはまたワーワーワーワー言ってるし。だから、東京の大学でこうバッとやる、関西は大体そういうの無いからさ、いろいろやれるんだけど、東京の場合だと党派が角逐してるっていうのがあるわけだけど。だけどそれでもなあ、みんながこう自主性ってことでさあ、大体言論の自由ってのがあるわけだからそんな誰が支配地域だとかそんなんないわけだから工夫してさ、そういうの用意してくれたら僕はまあ出て行くだろうし。

 

人研

その際はまた・・・

 

人研A

いや~革命マルがいる限りは無理ですよ。コメント・・機関紙とかにコメント載せるのももう不可能って感じですね。

 

塩見

まあだからみなさんの・・・ここで学習会なんかもやってるし、なんか興味、できるだけこれを機会になんかつながりもってね、やっていけたらいいんじゃないかと思うんですけどね。

 

人研A

なんかそういうスケジュールとかあるんですか?何月何日にって・・・

 

塩見

う~んと、今決まってるのは来週の八日と、十二日か。それだけ決まってますけどね。大体週一回か二回やると思いますね。今度ね。7月の6日ぐらいから訪朝するんですよ。一週間ほどね。金日成大学の学生と議論してさ、異文化交流でね。どちらも偏見もっているわけだからよ(笑)。そこらへんできたら非常に面白いなと。よど号の子供たちももう21,2だから。そのへんも非常に刺激になるだろうし。

 

人研

はい、それでは今日はどうもありがとうございました。

 

(拍手)